市民の手でつくる記憶の資料館
震災の記憶を伝えるとは、どういう行為なのでしょうか?どのような状態になったら記憶が伝わったといえるのでしょうか?
一般的に震災の伝承館には、出来事を象徴する重要なモノや、出来事を生き延びた人の貴重な証言を長期的に保存する役割があります。
それは過去のある時点で固定された記憶を、誰かに受け渡すという考え方を前提としています。
一方、わたしたちの資料館は、人と人、モノや空間との相互行為から、その時、その場で生じるダイナミックな記憶を重視しています。
人々が記憶を想起し、語る、その活動によって成立するパフォーマティブな資料館を目指しています。
そこでは出来事を体験した人、そうでない人などの多様な人々が交わり、言語だけでなく、非言語の芸術を通して記憶を共有します。
このようなコンセプトをもった伝承館はこれまでありませんでした。
「生きた記憶の資料館」は実現できるのでしょうか。
できるのだとすれば、どのような方法で実現できるのでしょうか。
わたしたちは、このような問いをみなさんと共有しながら、その探求のプロセスを始めたいと思います。
アジアの災禍とアート、アクション勉強会
2022年11月から2023年3月に、市民が主体的に記憶継承に関われる「生きた記憶の資料館」の設立に向けて、オンラインで7回、対面で1回の勉強会を実施しました。東日本大震災だけでなく、他の地域の自然災害や戦争、公害などの災禍に対してアクションを起こしているアーティスト、キュレーター、研究者、アクティビスト、教育者などをゲストにお招きし、実践や理論について伺いました。
企画:瀬尾夏美、梶原千恵
オブザーバー:山名淳
全体進行:梶原千恵
運営:武谷大介
助成:3.11メモリアルネットワーク基金2022年度助成、令和4年度NPO等による心の復興支援事業補助金
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